NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」で注目を集めた飛行機のパイロット職。実際にパイロットになるには、多額の費用と長期の訓練期間が必要だ。一方で、国際資格でもあるパイロット免許は、30代、40代からでも海外で訓練後にそのまま現地で働くチャンスもある。特集『ChatGPTで激変!コスパ・タイパで選ぶ最強の資格&副業&学び直し』(全20回)の#19では、カナダへの航空留学に必要な費用や期間、またキャリアなどについて紹介。コスパやタイパなどの面から、カナダでパイロットを目指す優位性をひもとく。(ダイヤモンド編集部 梅野 悠)
国内訓練はコスパに課題
海外ではカナダにポテンシャル
NHKの朝の連続ドラマ「舞いあがれ!」で注目を集めた飛行機のパイロット操縦資格。実際に日本国内でパイロットになるには、大手航空会社が自社の社員を育成する「自社養成」制度や、国立の訓練校「航空大学校」といった主要ルートに加え、近年では操縦訓練の専攻を持つ私立大学や、民間のフライトスクールに通うルートも有力になってきた。
だが、自社養成や航空大、私立大は、選考時の倍率や年齢制限、受験勉強と仕事の両立などの観点から、いずれも社会人にとってはハードルが高い。だが、“アラサー”や“アラフォー”でも飛行機で大空を飛んでみたいという思いを抱く人も少なくないはず。取得後のキャリアプランを含めて、その方法はあるのだろうか?
30代からパイロットを目指す場合には、民間のフライトスクールで免許をそろえて、航空会社からの採用を目指すのが主なルートだ。
その際にやはりネックになるのが費用と時間。多くの国内の民間フライトスクールは、人件費や燃料費などの観点から、海外と比べると運航コストが割高になりがちだ。
例えば、大手民間フライトスクールの朝日航空の営業担当者は「訓練費用は約2000万円、訓練期間は約2年半」と説明する。主なコースは、大阪の八尾空港で2年、また米国で半年の訓練を行う日米ハイブリッド型のカリキュラムだ。
一部の訓練を米国で行うことで訓練コストを浮かすことができるが、それでも全体としては高額だ。また同校出身者の「直近5年間の航空会社への就職率は約70%」(前出の担当者)だという。
つまり、費用や時間の面で非常に大きなコストがかかる一方で、確実に就職できるかどうかは不透明というハイリスクな挑戦になる。
では、30~40代からパイロットを目指すに当たり、費用やキャリアの面でより現実的な方法はないのか?次ページでは、その“裏技”ともいえるカナダでのパイロット免許の取り方を見る。同国への航空留学に必要な費用や期間、また免許取得後のキャリアなど、コスパやタイパ目線から全ノウハウを伝授するので参考にしてほしい。