二つ目が、各種素材の調達から切削加工までワンストップで対応し、顧客の管理コスト削減を実現していること。専用機の設計製作についても構想の段階から綿密なコミュニケーションを取り、製品化。世界各地の工場で同社の専用機が活躍している。
三つ目が、自社開発による生産管理システム導入で、工場内の「見える化」を実現していること。受注から出荷、評価・検証、さらに入出金、原価計算まで一元管理。生産性向上、効率化を実現し、日々、改善に努めている。
四つ目が品質への飽くなきこだわりだ。
加工技術を知り尽くした社員による厳しい品質検査を行い、測定機器のメンテナンスも日々徹底。顧客の求めるスペックのさらに上を行く、120点のクオリティーを追求するのが臼田流だ。
働きやすい環境を整備
健康経営優良法人に認定
●株式会社臼田工業 事業内容/精密部品加工、専用機設計製作、従業員数/40人、売上高/8億円(2022年度)、所在地/岐阜県関市のぞみヶ丘20、電話/0575-24-5792、URL/usuda-kogyo.co.jp
精度高く仕事をしていく上で、働く環境の整備にも注力している。医療用の本格的なマッサージチェアなどを設置したリラックスルームを設け、オフィスにはバランスボールや昇降タイプのデスクを設置し、社員の健康づくりに役立てている。社員の要望により、野球チームも組織し、定期的に練習で汗を流し、職域野球大会にも参加している。社長自ら選手として加わり、「部署を超えたコミュニケーションの活性化にもつながっています」と臼田氏。23年には3度目の「健康経営優良法人」の認定を受けている。
今後の展望について臼田氏は、「量や規模の拡大より、既存のお客さまからの、より高い技術力が求められる製品開発や技術提供のご相談にしっかり対応し、顧客満足度向上を追求してまいります」と語る。既に業界標準と比べて高い利益率を実現しているが、高品質、高単価の製品製造に注力し、さらなる利益率の向上を目指していく構えだ。
高精度な部品開発が求められる自動車のEV(電気自動車)化なども味方に付け、部品加工業界で異彩を放つ同社。今後もオンリーワンの製品展開に期待したい。
(「しんきん経営情報」2023年8月号掲載、協力/岐阜信用金庫)