ビジネスの現場では、人前でハキハキと話せる「社交的な人」が有利だと思われがちです。しかし、台湾出身で、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャン氏の世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(神崎朗子訳)によると、「内向的な人」こそ、冷静さ・思慮深さ・協調性といったビジネススキルを兼ね備えているといいます。
内向型の生まれ持った強みを肯定し、勇気づける本書には、「目からウロコの内容に感動した」「自分らしく生きていけばいいと気づけた」と日本中から絶賛の声が集まっています。
今回は、読者から寄せられた仕事や人間関係の質問に対する、チャン氏の回答を公開します。(構成/根本隼)

「外国人と話すとき」に絶対やってはいけないこと・ワースト1Photo:Adobe Stock

遠回しな言い方は絶対NG

読者からの質問 内向型の日本人が、欧米的な外向性が求められる「グローバルビジネス」の現場で意識すべきことは何かありますか?

ジル・チャン氏 欧米文化圏であっても、国・地域ごとに特色が違うので、必ずしも外向的にふるまうことだけが正解というわけではありません。しかし、コミュニケーションについては、1つ注意しておくべきポイントがあります。

 それは、内向型の日本人が欧米のビジネスパーソンと会話をする際は、「要点をできるだけ明確にして話す」ことが必要不可欠だという点です。

 私たちがふだん同国人と話すときは、知らず知らずのうちに、その場の雰囲気や文脈に応じて言葉を省略したり、遠回しな言い方をしたりしていますよね

 ですが、グローバルビジネスの場合、仕事をする相手との間には必ず「言語・文化の壁」が立ちはだかります。いつもと同じ感覚で会話をしようとすると、コミュニケーションが成り立たないんです。

伝えるべきことはすべて言語化

チャン氏 なので、前提知識や事前情報、場の雰囲気などに頼らず、伝えるべきことをその場ですべて言語化する「ローコンテクスト」の会話を必ず意識しましょう。

 実践してみると驚くと思いますが、「ローコンテクスト」の会話に切り替えるだけで、異なる文化圏の相手とのコミュニケーションが、格段に明快かつスムーズになります

 話が通じ合えば相手と打ち解けやすくなりますし、仕事全体の流れも円滑になるので、ぜひ取り入れてみてください。