家計相談に来る人の多くは「貯金をしたくても貯められない」のが悩みですが、たまに「お金を貯めるのが好き、楽しい」という人に会うことがあります。毎月しっかり貯金をし、投資にも興味がある。一見何も問題ないように見えますが、ファイナンシャルプランナーから見ると心配になることも……。「お金が好き」「貯金が趣味」の独身男性に対して、筆者が感じた“もったいなさ”とは。(家計再生コンサルタント 横山光昭)
“お金を貯めすぎて、
お金を使えなくなる人”がいる
家計相談をしていると、「お金を使えなくなっている」人に出会うことがあります。お金がなくて使えないのではなく、将来の不安、貯金を増やさなくてはいけないという気持ちから、お金を貯めることが生活の重要事項になってしまい、楽しみや自己投資という支出までもカットして貯金額を増やそうとして使えなくなってしまうのです。
こうした人はリスク(不確実性)を好まないので、お金を貯める方法は貯金に偏ってしまいがち。貯金をするのは悪いことではないのですが、効率の悪さや、貯金だからこそのリスクを考えていない場合も多く、変に堅実過ぎる考え方をしているな、と思ってしまうことがあります。
お金が大切だからこその行動だと思うのですが、視野を広げればもっと効率よくお金を増やしていくこともできるのに、そうしようとしません。節約、貯金が趣味で楽しみだと思っているのでしょうが、行き過ぎると生活の幅が狭まり、いろいろな経験をする機会を失ってしまうのです。それはそれで、少しもったいないことではないかと思います。