中国が新型コロナウイルス対策で設けていた制限措置を解除し、国境を再開してから半年がたつが、外国からの旅行者は少ない。これは中国と西側諸国との分断の新たな兆候であり、長期にわたってマイナスの影響を及ぼす可能性がある。外国からの旅行者がいない状況は、北京や上海といった主要都市で特に顕著だ。今年上半期にこれらの都市を訪れた外国人の数は、新型コロナ流行前の2019年上半期の4分の1に満たなかった。中国全体で見ると、直近で全国統計が入手可能な今年1-3月期に旅行代理店が催行したツアーで国外から中国本土を訪れた人は5万2000人にとどまった。19年同期は370万人だった。以前と同様、今年の訪問者の半数近くは、米国や欧州といった遠隔地ではなく台湾や中国領内の香港とマカオからの客だった。