名だたる大手メーカーやテーマパークの製品を手がける、社員7人の町工場

──御社の事業内容を教えてください。

五味 プラスチック用の金型製作と射出成形を主に手がけている、社員7人の小さな会社です。1969年に金属彫刻の仕事をしていた私の父が独立して、創業しました。最初は金型の製作だけを行っていましたが、2002年に現在の東京・足立に移転し、射出成形機を譲り受けたのをきっかけに、同じ敷地内で射出成形の仕事も始めました。

──特に多く手がけている仕事は?

名だたる大手メーカーやテーマパークの製品を手がける、社員7人の町工場取締役・五味修氏。1971年生まれ。高校卒業後、ゼブラに入社。購買業務を手がける。2016年に家業である五味彫刻工業所に入社。取締役として営業・新規事業開発などに取り組む。

五味 筆記具です。大手メーカーのボールペンはグリップからキャップ、内部の部品まで作っていて、有名テーマパークやファンシーグッズメーカーのボールペンも作っています。どちらも金型製作だけでなく、金型を使って射出成形機で製品化一歩手前のものまで作ります。

 自動車のエンブレムを作る仕事も多いですね。フロント部分やハンドルの中央に付けられているエンブレム、後部に付けられている車種名などは、実はプラスチックでできています。日本車メーカーと外国車メーカー、どちらも手がけていて、金型製作を行っております。

──小さな会社ながら、国内外の自動車メーカーや有名テーマパークの仕事を得られる秘訣は何でしょうか?

五味 短納期・小ロットで、難しいものが作れることだと思います。

 例えば、テーマパークのボールペンはイベントごとに限定品を作りますが、小ロットで多色展開、さらに納期が短い上、クオリティーに厳しくやり直しも多い、と難しい条件がそろっています。

 実はこうした要望に応えられる会社はほとんどありません。金型製作と射出成形は別の会社がしていることが多く、射出成形の工場は地方にある場合が多いからです。