「頭のいい人」になれる意外なイチオシ本とは?教育学者・齋藤孝さんが伝授アナウンサーが朗読しているCD-ROM付の朗読版は、スマホにダウンロードして通勤中に聴くこともできるので、スキマ時間の有効活用にピッタリ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

大人になってから、日々のニュースや情報に接していると「これをもっと学んでおけばよかった」「基本的な知識が足りていないな……」と自分の“教養”に不安を抱くこともあるかと思います。だから今こそ、文学、哲学、科学、歴史、心理学、宗教などの、時代を超えて読み継がれている古典・名作から学ぶ力が必要です。本記事では、齋藤孝氏の最新刊『頭のいい人の独学術』(ポプラ社)から内容を一部抜粋・編集して、大人の学び直しにおいて、「身につけておきたい教養テーマ」「テーマ全体を理解できるおすすめ書籍」などを紹介します。

世界史は、「教科書」を読め

 世界史は、教養の土台です。人類の営みを知り、社会の成り立ちを知ることは、現代を理解することであり、ひいては自分のアイデンティティを知ることにもつながるからです。

 今起きているニュースも、歴史を知ることでその背景がわかります。コップの中だけ覗き込んでいたような近視眼的なモノの見方が、世界史を学ぶことで海を見渡すように視野が広がり、複眼的になります。つまり、世界史の知識があるかないかで、世の中の見方が変わるのです。

 学校で習ったことはほとんど忘れてしまい、大人の学び直しには何からはじめればいいかわからない人も多いようです。世界史は大人の勉強にピッタリです。

 世界史の学び直しに適した教材として、私が一推ししたいのは、『山川 詳説世界史図録 第4版』と『アナウンサーが読む 聞く教科書 山川詳説世界史』(いずれも山川出版社)です。図録は大判で全ページカラー。写真、図版、年表などが多用されていて、図鑑を眺めているような感覚で、目で見て楽しみながら、世界の歴史の流れを理解できます。