米国で昨年インフレ抑制法が成立したことを受け、これが追い風になるとみられるクリーンエネルギー分野の新興企業が物色されている。中でも、電池の中国依存脱却に不可欠とされる業界に投資が集まっている。ブラックロックやゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントといった米資産運用大手が、金属くずや古い電池から再利用可能な電気自動車(EV)用電池部品を製造する新興の電池リサイクル企業に資金を投じている。こうした新興企業は起伏の激しいクリーンエネルギー市場で生き残り、政府の優遇措置が終了した後も需要を維持できると見込んでいる。ブラックロックとシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスの合弁会社デカーボナイゼーション・パートナーズでグローバル責任者を務めるメーガン・シャープ氏は、「企業はいずれそうした世界で商業的に成功する必要がある。それは多額の補助金や政府の支援に頼らない世界だ」と指摘した。同社の1本目のファンドにはすでに10億ドル(約1470億円)が集まり、年内に募集を終了する予定だ。
電池リサイクルの米新興企業に群がる投資家
電池の中国依存脱却に不可欠とされる業界に投資集中
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