アーム上場、投資家を待つのは忍耐Photo:Future Publishing/gettyimages

 英半導体設計大手アームは長年、半導体業界に並み外れた影響力を持っている。それでも、500億ドル(約7兆3600億円)の価値を認めてもらおうというのは、市場がテック企業の大型上場を渇望しているとはいえ、野心的だ。

 アームは新規株式公開(IPO)の仮条件を5日に発表した。上場は近そうだ。同社はロードショー(投資家説明会)を開始したと明らかにし、公開価格は47~51ドルを想定している。上場後は米ナスダック取引所で取引される。

 仮条件レンジの中央値で算出したアームの評価額は約500億ドルで、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)構成銘柄と比べると、時価総額順で中位に入る。株主のソフトバンクグループ(SBG)が先月、傘下のビジョン・ファンド部門からアームの株式25%を購入し、この時の条件に基づくアームの評価額が640億ドルだったことを踏まえると、500億ドルは適正な水準といえそうだ。