前回に引き続き、簡単な操作で中国の経済関係の文献を調べる方法を探ることとしよう。

キーワードを「あぶりだす」
ために、文法を学ぶ

 言うまでもないことであるが、前回述べたのは、きわめて不正確な中国語の翻訳である。

 例えば、「了」を「した」と置換すればいいと言ったが、「了」は必ずしも過去だけを指すのではない。仮に中国語の専門家が私の方法を聞いたとすれば、「これでは間違い」と言うだろう。そして、「中国語には時制がなく、未来のことについて了を使うこともある。だから、『了』を『した』と置換すれば、文意を取り違う場合もある」と指摘するだろう。そのとおりである。

 あるいは、「是」を「は」に置換すればよいと述べた。しかし、「是」は英語で言えば、be動詞に近いものだ。「は」という置換は、便宜上のものに過ぎない。

 ここで行なっているのは、文法的に正確な処理ではないのだ。われわれの目的は、キーワード、すなわち、「辞書で調べるべき単語」を「あぶりだすこと」だ。日本語では、「は」「と」「を」「の」などの助詞があるので、キーワードが自然と浮かび上がるようになっている。その意味ではきわめて効率的な表記法だ。

 中国語では、日本語の助詞に相当するものも漢字で表現されているので、一見しただけでは判別できない。そこで、日本語の助詞で置換して、キーワードを浮かび上がらせる。それがわれわれの目的である。

中国語の文法をYouTubeで学ぶ

 ただし、こうした方法だけでは読めない場合も、もちろん多い。したがって、もう少し前進するには、中国語の文法を勉強すべきだ。

 ウエブを検索すると、無料で学習できる中国語文法の講座が、かなりある。それらの中で、私は、「カエルライフ」の「基本の文法を学ぼう」#01~18がよいと思う。