20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
関東私大の中でも人気とされる2校の商学部・経営学部はそれぞれどう雰囲気が違うのか紹介していく。
明治大学・商学部
商学科のみ。「看板の商」と呼ばれている理由は諸説あり、ひとつには日本の私大の中で、最も古い(1904年設置)商科であることが挙げられる。
他学部と比べて卒業要件単位数が多いため、「監獄の商」ともあだ名される一方、チャラい人が多いから「チャラ商」とも。テストの難易度は「全学部中真ん中」くらいで、友達や先輩からの情報入手が対策の基本だ。「要領のいい人なら余裕」らしい。
「出席を取らない講義が多く、レポートを課す教授も圧倒的に少ない」。大学では珍しいファッション・ビジネスに力を入れており、関連する授業が多く開講されているのも特徴。
商学部生が「第2の入試」と呼んでいるのが、1年次の終わりにある「ゼミ試」。ゼミには学部生全体の8割しか入れない。専門ゼミと教養ゼミの2つのゼミに所属できるダブル・コアという制度もあるが、「両立できるかどうか、組み合わせをよく考えて選ぶことが大切」だとか。
全体的に就職は強く、2割以上が金融関係。公認会計士をめざす学生も多く、例年10~20人程度の在学生が合格する。税理士や中小企業診断士などの資格取得の支援も熱心。3年次から7つのコース(欄外参照)にゆるやかに分かれる。なお、コースの人数差が激しく、「コース選択を間違えると、3年次からひとりぼっちになってしまう」(商学部生)とのこと。
明治大学・経営学部
2年次から経営、会計、公共経営の3学科に分かれる。学内での存在感は薄めで、「あったか経営」などと呼ばれる。「商学部と政治経済学部があるのに経営学部なんてあったか?」といった意味。ちなみに日本の私大でいちばん歴史はある。
会計学科は公認会計士養成に力を入れており、近年の合格者数では商学部と拮抗している。高度職業会計人養成トラックCAPでは、公認会計士や税理士をめざす者向けに1年次から専門教育を行う。入学時にTOEICを全員が受験し、成績順にクラスを分ける。上位成績者が入れる「GREAT」では4年間を通してグローバル経営人材育成カリキュラムを受けられる。
海外で社会奉仕を経験するグローバル・サービスラーニングも特徴。ゼミは2年次からあり、第一志望に入れない人も多く、「ガチゼミ」と呼ばれるゼミに入ると大変。商学部同様、2~3割が金融業に就職する。