話し上手な人が待っているもの
対して、話が上手な人はいきなりすべてを話すようなことはしません。たとえば、売れている芸人のトークで考えてみましょう。
彼らの話のはじめ方も特別なものがあるわけではありません。休日のエピソードを話すのであれば、「そういえばこの前、渋谷に行ったんだけど」などのような非常に普通のものがほとんどです。ただ、彼らはそこにひとつの工夫を加えます。
それは、話しはじめたあとに必ず相手の反応を待つということです。
彼らは自分が話しはじめたあとに、聞いている側の「うん」という返事や相槌などの反応があってから続きを話すのを徹底しています。
そうすることで、相手の反応を見てから話の長さや伝え方を判断することができ、食いつきが悪ければ短く切り上げたり、逆に食いつきが良ければあえて溜めたりしながら話を進めます。相手に合わせて話を変えられるので、ストレスの少ないコミュニケーションが取れるのは言うまでもないでしょう。
つまり、大事なのは「最初に聞き手を食いつかせることができるかどうか」ということなのです。
非常にシンプルなことですが、これをやれるかやれないかで、話が上手いか下手かが決まるくらいのものだと多くのビジネスパーソンやお笑い芸人を見てきて感じましたので、皆さんも頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。