朝日放送テレビ「探偵!ナイトスクープ」HPのスクリーンショット朝日放送テレビ「探偵!ナイトスクープ」HPのスクリーンショット

「家事育児を押し付けられた小学生を救え!」 。『探偵!ナイトスクープ』の放送後、SNSでは両親への“正義の制裁”が吹き荒れました。しかし、全ては番組側が仕組んだ「ヤラセ演出」だったことが発覚。なぜ人気長寿番組は、一歩間違えば出演者を死に追いやる危険な演出に手を染めたのか? 「テラハ問題」の悲劇から何も学ばないテレビ業界の構造的欠陥と、視聴率のために「架空の社会問題」さえ報道してしまうメディアの裏事情を暴きます。(ノンフィクションライター 窪田順生)

ヤングケアラー問題に急展開
番組が公表した驚愕の事実

「ヤングケアラーだ! こんな両親に親になる資格はない」
「通報すべきだ、児童相談所はすぐに保護に動け!」

 なんて感じで、「正義のリンチ」に酔いしれていた人たちは己の思慮の浅さに今頃、耳まで真っ赤になっているのではないか。

 きっかけは人気番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)で「小学6年生の長男ばかりが家事・育児をしている広島の8人家族」が取り上げられたことだった。これを観た視聴者の怒りが爆発、長男に「児童労働」を強いていた両親にSNS上で批判・誹謗中傷が殺到したのである。

 さらに政治家と行政も動いた。広島選出の前衆議院議員である自民党の小林史明氏がSNSでこの「ヤングケアラー問題」を取り上げて、「行政機関と共有し、教育委員会含め丁寧に対応していただくことになりました」と投稿。SNSでも「行政が介入してくれるなら」と安堵の声が広がった。

 ……と話がここで終われば「人気番組とSNSの力でかわいそうなヤングケアラーを虐待両親から救出成功!」という美談だが、実はまだ続きがある。番組公式サイトがすべてを「ちゃぶ台返し」にするような驚愕の事実を公表したのだ。