バイデン米政権はイスラム組織ハマスとイスラエルとの紛争により、中東で展開する軍事力を再び増強することを余儀なくされている。中国とロシアの脅威への対応に集中することを望んでいたが、政策の焦点を中東に向けざるを得なくなった。バイデン政権は過去1週間で中東における軍事拠点の一部を再構築した。ハマスによる7日のイスラエル攻撃が発端となったこの紛争が、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラを引き込むことなどによって周辺地域に拡大しかねないと懸念しているためだ。最近の米海軍や戦闘機部隊の展開は一時的なものとされているが、そのきっかけとなった危機が短期で終わるようには見えない。この紛争は中東における米軍の使い方について見直しを迫る可能性がある。米国防総省は新たな紛争が勃発する中、ウクライナ支援や、長期的な最優先事項と位置付ける対中戦略への集中をどのように継続するかという試練にも直面している。
米国防戦略の見直し迫るガザ戦争
軍事的プレゼンスを縮小してきた中東で拠点を再構築するバイデン政権
有料会員限定
あなたにおすすめ