ニデック「過去最高」の上期決算!TAKISAWAのTOBも成立…村田製作所、京セラと明暗Photo:Diamond

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はニデック(旧・日本電産)や村田製作所などの「電子部品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

ニデックは上半期の決算で
「過去最高」ラッシュも他の3社は…

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電子部品業界4社。対象期間は2023年5~9月期の四半期(4社いずれも23年7~9月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ニデック(旧・日本電産)
 増収率:0.7%(四半期の売上高5946億円)
・村田製作所
 増収率:マイナス8.5%(四半期の売上高4427億円)
・京セラ
 増収率:マイナス2.8%(四半期の売上高5059億円)
・TDK
 増収率:マイナス9.0%(四半期の売上高5563億円)

 電子部品業界の四半期増収率は、ニデックのみプラス、残る3社はマイナスという結果だった。

 ニデックでは22年に「社長退任」問題がぼっ発。今夏も工作機械メーカーTAKISAWAに対するTOB(株式の公開買い付け)提案が波紋を呼んだ。当初はTAKISAWAの経営陣がTOBに同意しておらず、「敵対的買収」に発展する可能性があったためだ。最終的には合意に至り、TOBが成立する見通しとなった。

 そんなニデックだが、上半期(23年4~9月期累計)の業績は好調で、増収増益で着地。売上高・営業利益・純利益が第2四半期累計の実績として「過去最高」を記録した。

 一方、村田製作所・京セラ・TDKは上半期決算で減収減益となった。3社そろって営業利益が前年同期比で3割前後の減益に沈み、純利益も軒並み減益だ。

 ニデックと3社の間では、なぜ明暗が分かれたのか。次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、利益面についても解説する。