日本再浮上&AIで激変! 5年後のシン・業界地図#4Photo:Vertigo3d/gettyimages

ChatGPTの急発展に伴い、電子部品業界でもAIを取り巻く需要増が期待されている。特に直接的な恩恵を受けそうなのが、イビデンと新光電気工業の2社。特集『日本再浮上&AIで激変! 5年後のシン・業界地図』(全16回)の#4では、両社が大きな追い風を受ける理由のほか、“王者”村田製作所やニデック(旧日本電産)、ロームなど主要電子部品7社の5年後を大展望する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

空前のAIブームが
強力な追い風に

「明らかにAIを取り巻く期待値が高まっている」――。電子部品業界を担当する大和証券の佐渡拓実チーフアナリストは、このように話す。「ChatGPT」をはじめとした生成AIの普及には高いデータ処理能力が求められ、サーバー需要などの拡大が見込まれている。それらの生産の一端を担う電子部品各社にも、強力な追い風が吹き始めたというわけだ。

“世紀のビッグウエーブ”と呼ばれる新AIブームは、今後「5年」の産業界を一変させるインパクトを秘める。とはいえ、当然だが、全ての会社が恩恵を受けられるわけではない。

 では、電子部品業界ではどの企業が特に好影響を受けるのか。

 佐渡氏は、イビデンと新光電気工業に勝機が到来していると読む。両社とも、前期(2023年3月期)には最高益を更新。今期こそ減収減益を見込むが、中長期的な成長期待は根強い。

 一方、“電子部品の王者”村田製作所といえば、日本でも有数の優良企業だが、ややもすると不安な未来シナリオも浮かび上がってきた。

 次ページ以降では、他にもニデック(旧日本電産)やTDKなど、主要7社の予想利益や年収のデータを徹底比較。すると、年収に関しては、一般の知名度が低そうな意外な企業が業界トップに君臨することが判明した。

 イビデンと新光電気はなぜ強いのか。ニデックの抱える大きなリスクとは?さらに、高シェアで独自性の高い製品群を抱える電子部品業界の中でも、5年後勢いを伸ばしそうな企業とは?