日本電産次期社長の「大本命」は?永守氏が抜擢した“副社長5人体制”に抜本的課題Photo by Reiji Murai

日本電産の新経営体制が固まった。向こう1年で、今回抜擢された副社長5人の中から次期社長が選定される予定だ。永守重信会長兼最高経営者(CEO)の後継者レースの戦況はどうなっているのか。本稿では「大本命」の実名を明らかにすると共に、新体制が抱える重大課題についても掘り下げる。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

副社長5人中、銀行出身者は3人
永守氏・後継社長レースの最右翼とは

 またぞろ日本電産の後継者レースが始まった。3月13日に、4月1日付で発足する副社長5人体制の人事案が明らかになったのだ。

 昨年9月、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO。78歳)は自身の後継含みで招聘した前社長の関潤氏を事実上、解任に追い込んでいる(関氏退任の真相については、特集『京都企業の血脈』の#2『スクープ!日本電産“社長解任”全真相【前編】、永守会長が関氏に突き付けた「2通の通知書」の中身』参照)。

 旧カルソニックカンセイ(現マレリ)元社長の呉文精氏、シャープ元社長の片山幹雄氏、日産元幹部の吉本浩之氏――。関氏の退任により、永守氏は後継者選定で4度目の失敗を喫することになったのだった。

 それでは、振り出しに戻った後継者レースの戦況はどうなっているのか。

 1年後の2024年4月に、新任副社長5人の中から社長が選出される予定だ。そのタイミングで、永守氏は会長とCEOを退き取締役グループ代表に、小部博志社長(73歳)は代表取締役会長兼CEOに就き、徐々に創業メンバー2人が経営の表舞台からフェイドアウトしていくとされている。

 今回、抜擢された副社長の陣容はこうだ。日本電産サンキョー社長の大塚俊之氏と日本電産シンポ社長の西本達也氏。2人は子会社幹部からの登用だ。それに加えて日本電産専務執行役員の3人――北尾宜久氏(グループ会社事業本部長)、小関敏彦氏(最高技術責任者)、岸田光哉氏(車載事業本部長)――が選ばれた。

 果たして、1年後に社長の座に就くのはどの候補なのか。次ページでは、次期社長の「大本命」の実名を明かす。

 新体制が発足したからといって、後継者問題がただちに解消に向かうというわけではない。というのも、社長候補5人には日本電産が成長戦略を描く上で必要不可欠な「才覚」が欠如しているからだ。新体制が内包する抜本的課題とはどのようなものなのか。