長く続けることで資産が成長する本質的な理由

 その理由は、世界経済が金融危機を乗り越えて、中長期的には成長し続けてきたからです。

 今後、私たちが10年、20年、30年という長い時間をかけて資産運用を行うときも、このことを覚えておく必要があります。「経済危機はもう起こらない」という前提に立つのではなく、むしろ「これからも何度も経済危機は訪れるかもしれない」という前提で考えたほうが合理的ですし、現実的です。

 30年のシミュレーションをお見せすると、「うまくいった事例を都合よく見せているのでは」と思う人もいるかもしれません。しかし、どの10年を切り取っても、資産運用の結果はプラスになっています。

 リーマン・ショックの直前の株価が高い時期に資産運用を始めて、その後の株価急落で大きく資産が減っていても、そのまま続けることで、10年後にはプラスになっています。

 このことから、長期投資の目安は、「10年かそれ以上」と言えます。ウェルスナビの資産運用セミナーでは、60代の方からよく「長期投資はいまから始めても間に合いますか」という質問をいただきます。その際、「10年以上続けられるかどうかが判断基準です」とお答えしています。

 もしも資産を使う時期が5年後に迫っているのであれば、資産運用はあまりおすすめできません。反対に、まだまだ働き続ける予定で、10年以上は資産運用を続けられるということであれば、いまから資産運用を始めてもよいということになります。