チャットGPTを開発した米オープンAIの最高経営責任者(CEO)を解任されたサム・アルトマン氏は19日、2日後に再び同社オフィスを訪れ、自身の復職に向けた話し合いを行った。アルトマン氏はゲスト向けの入館証を使ってオフィスに入り、「これを身につけるのは最初で最後だ」とX(旧ツイッター)に投稿している。オープンAIでは週末の間に、アルトマン氏の復職を求める投資家や多くの従業員から声が上がったものの、19日の時点で今後の経営陣の全容はまだ不透明なままだ。同氏はシリコンバレーでも最も価値が高く注目されている新興企業のトップに再び立つために、いわゆるクーデター返しを模索している。オープンAIで突如起きた人事を巡る騒動は、創業者と取締役会の決裂によるもので、シリコンバレーでは古くから繰り返されてきたケースでもある。だが人工知能(AI)革命の顔でもあるアルトマン氏と、企業利益よりも社会的利益を優先させることを使命とする取締役会の決裂は、企業としての未来や投資家らがこれまでに投じてきた数十億ドルを脅かしている。