アップルのサイトからSIMフリーの端末を直接購入する場合、容量が最も小さい64GBのモデルが7万4800円(税別)となっており、新たに発表された4機種の中で最も安く購入できる。5G対応iPhoneの入門機として位置付けられるだろう。
大きな特徴はやはり、片手で持ちながら画面の隅々まで親指でタッチ操作ができるサイズ感の心地よさだ。iPhone 12シリーズは本体側面のエッジを立たせたデザインになったので、ケースを付けずに裸で持つとグリップがとても安定する。
海外の人々に比べて、手があまり大きくないと言われている日本をはじめアジアの各地域で人気を集めそうだ。本機に注目している女性も多いのではないかと思う。
本体のサイズは4.7インチのRetinaディスプレイを搭載する第2世代のiPhone SEよりも少し小さく、4インチのiPhone 5sを横に並べてみると少し大きい。
画面上部のノッチ部分は引き続き残っているが、ディスプレイはオールスクリーンデザインとなっており、動画や写真は画面全体にイメージが広がる没入感が楽しめるほか、マップやメッセージなど全画面表示に対応するアプリではより多くの情報を一気に見ることができる。
背面に搭載するメインカメラは広角・超広角レンズを組み合わせたデュアルレンズカメラとなっている。iPhone 12シリーズは2019年発売のiPhone 11シリーズよりも明るくなった広角カメラを搭載している。
最も使用頻度の高い広角カメラが改良されたことで、暗い場所でも明るく色鮮やかな写真・動画が撮影できる。iPhone 11 シリーズから搭載が始まった、暗い場所の撮影をサポートする「ナイトモード」もiPhone 12 miniに継承されている。
サイズが大きいiPhone 12シリーズの他の端末に比べると、iPhone 12 miniのバッテリー容量は少なく、最大駆動時間は短くなる。とはいえ、iPhone SEよりもバッテリー持ちは良いし、筆者も数日使い込んでいるが、1日の外出中にいつも通りウェブやメールをチェックして、少し動画や音楽を楽しんでもバッテリーが尽きることは今のところない。
別売りの20W以上のUSBアダプターを使えば、30分で最大50%の充電が行える高速充電機能も備えているので、実用的には心配ないと思う。
従来のiPhoneよりも約4倍強い本体は防水対応も万全
フロントパネルのガラスには「Ceramic Shield」と名付けられた、強化ガラスの著名ブランドである米コーニング社とアップルが共同開発した新素材が使われている。