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中国の2025年出生数が792万人と、前年から17%も激減した。これは実に287年前、清朝時代の1738年(人口1.5億人)と同水準である。現在の人口は14億人もいるのに、新生児数は18世紀と変わらないというのだ。36年間続いた「一人っ子政策」の傷跡、若者を追い詰める社会環境……人口減少が映し出す中国社会の深刻な変化を読み解く。(日中福祉プランニング代表 王 青)
1949年以来、新生児の数が最低になった中国
先月、中国の国家統計局が最新の人口統計を発表した。統計によると、2025年末の中国の総人口は14億489万人で、前年比339万人の減少となった。年間の出生数は792万人で、出生率は5.63‰(パーミル、千分率。人口1000人あたり56.3人の意味※)。65歳以上の人口は2億2365万人で、前年より324万人増加した。
また、死亡人口は1131万人で、死亡率は8.04‰、人口自然増加率はマイナス2.41‰となった。中国の人口マイナス成長が始まったのは2022年、比較的最近の話である。
※参考:日本の出生率は7‰で、中国の5.63‰よりは高い。
中国の出生人口推移(2001~2025年)。城市財経に掲載されていたデータを元に編集部でグラフを作成 拡大画像表示
一連のデータの中で、もっとも人々に衝撃を与えたのは、新生児の激減である。年間の出生数792万人は、前年の954万人より162万人も少なく、減少率は17%に達した。1949年の中国共産党政権樹立以来、過去最低を記録したのである。
中国の人口研究専門家であり、アメリカのウィスコンシン大学マディソン校の易富賢氏は「中国の出生数は、すでに乾隆三年の水準に後退している」と指摘した。
「乾隆三年」とは、18世紀の1738年(清の乾隆三年)のこと。その年の新生児の数はおよそ800万人だったという。ちなみに当時の総人口数は1.5億であった。つまり、287年前の1.5億人という人口の時代に対して、現在14億人もいるのに、出生数はほぼ同じだということだ。そのインパクトはあまりにも大きい。前出の易富賢氏によると、2025年の中国の合計特殊出生率※※は0.97~0.98にとどまり、初めて1.0を下回った。これは「次の世代の人口が、前の世代の半分にも満たないことを意味する」という。
※※合計特殊出生率…一人の女性が一生のうちに産む子どもの平均数。人口維持のためには2.07以上必要とされる。なお、日本の合計特殊出生率は約1.15。







