LIFE STYLEではリコーと業務提携を結び、クラウドサービスを全国展開するための代理店制度の設計もサポート。スモールビジネスの代理店構築の支援なども手掛けてきた。

多くの代理店と関わる中で永田氏が感じたのが「メーカーと代理店との間のコミュニケーションがめちゃくちゃアナログ」なため、生産性の低下や現場が疲弊する原因になってしまっていることだ。その課題を解決するべく、新たに会社を立ち上げ、代理店営業管理クラウド「PartnerSuccess」を開発したのだという。

企業と代理店との間で発生するコミュニケーションを集約し、管理業務を効率化できるのが特徴
企業と代理店との間で発生するコミュニケーションを集約し、管理業務を効率化できるのが特徴

「代理店は2社間で多くのステークホルダーが関わることになるので、コミュニケーションが複雑になってしまいやすいです。しかも日々のコミュニケーションが属人的で担当者によってバラバラなツールを使っているため、現場が混乱してしまっている上にナレッジが残らない。そのやりとりをクラウドで一元化・効率化することで、現場の負担を軽減し、より効果的な代理店戦略を実現していくことを目指しています」(永田氏)

PartnerSuccessの特徴は代理店の案件進捗や営業の状況などを1カ所に集約し、データベースとして整理できること。各販売代理店との受発注の申請・承認作業や月末月初の請求データ作成などもシステム上でスムーズに進められるため、余計なコミュニケーションコストや手間を省ける。

営業活動の自動レポート機能なども含め、代理店本部の担当者やアシスタントが行っている面倒な事務作業や情報共有の大部分を自動化している点もポイントだ。

代理店のデータベースを作り、細かい設定が可能。属人化も防げる
代理店のデータベースを作り、細かい設定が可能。属人化も防げる
受発注作業の効率化やレポートの自動化など、担当者の負担を削減する機能も搭載
受発注作業の効率化やレポートの自動化など、担当者の負担を削減する機能も搭載

永田氏によると、これまで代理店管理システムとしては既存のCRMやSFAをカスタマイズして使うケースが多かった。永田氏自身も以前はそのやり方を採っていたそうだが、そこでネックになるのがカスタマイズのための開発や保守にかかるコストと時間だ。

実際に周囲の企業から代理店管理システムについて聞かれることが多々あり、その度に既存のCRMを用いた手法を紹介してきたが「(開発コストの関係で)最終的にはほとんどの企業で使われず、結果的にエクセルやアナログな手法に戻ってしまっていた」という。

そこでPartnerSuccessではカスタマイズ不要で、従来の10分の1程度の価格で導入できる仕組みを作った。月額の利用料金は1万円の基本料金と代理店IDごとの3000円。メンバーや商品の数は追加料金なしで無制限に登録できる。

1月のサービスローンチ以降すでに複数社が同サービスを活用して管理コストを削減することに成功しているそう。ある企業では管理業務を効率化することで1人あたりが担当できる代理店の数が増え、短期間で販売代理店数を1.5倍に増加させることに繋がった。