米上院で6日、ウクライナ、イスラエルおよび太平洋地域の同盟諸国に対する1105億ドル(約16兆2200億円)の支援を盛り込んだ法案の審議入りが阻止されたが、これは芝居がかった政治として受け止めるのが最も適切だ。ジョー・バイデン大統領は恐らくここから、超党派の妥協成立に向けて真剣に取り組むのだろう。同氏は2020年、こうした妥協をまとめるのが得意だと話していた。米上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務は、共和党員が審議入りを阻止する意向を示していたことから、審議入りを可能にする手続きの採決で必要とされる票(賛成票60票以上)が得られないと分かっていた。共和党議員49人全員が実際に反対票を投じた。しかし、それでもシューマー氏が採決に踏み切ったのは、民主党内の左派をなだめるためであり、支援が最終的に可決されない場合にその責任を共和党に負わせたいからだ。同氏は、支援法案に国境の移民対策条項を追加するよう要求したとして共和党を非難した。