デンマークの製薬大手ノボノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」や肥満症治療薬「ウゴービ」など人気の高い新薬は、食欲を抑えることで減量効果をもたらす。食品メーカーの一部はそれを好機と捉えている。新興企業から業界大手に至るまで、食品メーカーは自社製品を「減量薬」の自然素材の代用品として売り込んだり、患者向けの栄養補助食品を開発したりしている。米国ではオゼンピックやそれに類する薬が大人気を呼んでおり、投資家の間では、今後さらに幅広い人々が服用すれば食品メーカーの売上高を脅かしかねないとの懸念が高まる。食品大手各社は減量薬の需要急拡大に関心を寄せている。これらが米国人の食生活を再構築するのかどうか、またいかに再構築するのかについて疑問も生じている。多くの食品メーカー幹部は、減量薬の急激な台頭に気をもんでいるわけではないとし、カロリー消費量が落ち込むとしても数年先の話であり、これまで消費動向に対応してきたのと同様、企業が自社製品を適応させる時間は十分にあると話している。