「2024年問題」を前にトラック運賃が緩やかながらも上昇基調が続いている。日銀が発表している道路貨物運送のサービス価格指数(15年平均を100とする)は、7月以降、「112」台が継続している。公正取引委員会がこのほど公表した「発注者と協議することなく価格を据え置くことは違反である」との考え方を示しており、「運賃水準は変化なし」のトレンドが変化する可能性が出てきた。(カーゴニュース編集部)
中長期契約運賃の水準
わずかながら上昇が持続
道路貨物運送のサービス価格指数は、中長期契約運賃の水準の指標となる。20年以降の推移をみると、20年は「110」台後半が続き、22年頃から「111」台が定着。23年3月以降は「111」台の後半となり、7月には「112」に達した。以降、わずかながら上昇が持続し、10月は近年では最高となる「112.4」となった。★7月の数字修正済み
スポット運賃の指標となる、日本貨物運送協同組合連合会の「Web KIT」成約運賃指数も、6月に「114」と大きく落ち込んだが、7月以降は「120」台を回復し、前年同月の指数を上回って推移している。10月の指数は「126」で、年末にかけて荷動きが活発化してくると「130」台も見えてきそうだ。
希望する運賃料金に対して
収受運賃は「低い」が8割
人件費や燃料費の高止まりにより運送原価が上昇している中で、運賃水準はまだ十分なレベルに達していないとみられる。東京都トラック運送事業協同組合連合会(東ト協連)が10月に発表したアンケート結果によると、希望する運賃料金に対する収受運賃について、84.2%が「低い」と回答していた。