カーゴニュース調査によると、2022年度の物流コストの絶対額が増加した大手荷主企業は、調査対象60社のうち48社と全体の8割に及んだことが明らかになった。21年度の増加企業数も20年度比で23社増と伸長したが、22年度も引き続き多くの荷主が物流コストを増やし、全体総額も3兆円台に近づく結果となった。コロナ影響からの回復に加えて、運送事業者からの運賃値上げ要請や原料価格高騰などが物流コストを引き上げる形となり、「2024年問題」を間近に控え、今後も物流コストは増加基調が継続することが見込まれる。(カーゴニュース編集部)
コスト総額は1割強増加
運賃値上げも影響か
カーゴニュースでは毎年、各業種を代表する大手荷主企業を対象に物流コスト調査を実施。22年度の有価証券報告書から「運賃」「運送費」や「物流費」「荷造費」「保管料」など物流関連コストの項目を抽出し、費用の絶対額や売上高に対する比率の推移を調べた。
今回調査した60社のうち物流コストの絶対額が増加したのは48社(構成比80.0%)と過半数に達し、減少したのは12社(20.0%)だった。21年度の増加企業は61社中、51社(83.6%)だったため、増加企業数は前年度より減少したものの、引き続き8割という高い比率を維持した。
一方、全体の物流コスト総額は2兆9444億5700万円となり、21年度の2兆5637億1200万円から3807億4500万円(14.9%増)増加し、3兆円に迫る数字となった。