国交省「トラックGメン」発足、悪質荷主は社名公表で物流2024年問題にメス国交省本省での辞令交付式(鶴田浩久自動車局長) 写真提供:カーゴニュース
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国土交通省は7月21日、トラック運送事業者が荷主や元請事業者から不当な取引を強いられていないかなどを調べる「トラックGメン」を創設し、本省などで辞令交付式を行った。全国の地方運輸局・運輸支局などに計162人を配置し、荷主や元請事業者への監視体制を強化。トラック事業者に対して不適切な取引を強いる荷主・元請の情報を収集していく。悪質な荷主・元請には改善を図るよう働きかけ、改善が見られない場合は是正措置を要請する。さらに改善がみられない場合、勧告を出して社名を公表する。(カーゴニュース編集部)

不適切な取引の是正に
「一層強力に取り組む」

 6月2日に政府が取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」では、荷主・元請への監視強化など荷主対策を推進する体制の強化を提言しており、その施策の一環として「トラックGメン」を創設した。

 斉藤鉄夫国交大臣は18日に開催した記者会見で、「トラックGメン」の創設について、「本省および地方運輸局に162人体制で設置。トラック事業者からの情報収集を強化し、貨物自動車運送事業法に基づく荷主・元請への『働きかけ』『要請』『勧告・公表』制度の執行力を強化し、荷主対策の制度の実効性を高める。また、関係省庁・産業界と緊密に連携し、ドライバーの労働条件の改善と取引環境の適正化に向けた取り組みを進める」と制度の趣旨や概要を説明。

 また、「荷主の都合による長時間の荷待ちや運賃・料金の不当な据え置きなど不適切な取引の是正に向け、一層強力に取り組んでいく」と述べ、トラックGメンはプッシュ型の情報収集を行い対応を強化する」と強い意気込みを示した。

 全国に配置するGメン162人のうち、80人は専従で担当し、82人は既存のトラック担当者が併任するかたち。80人の専従者の内訳は本省2人、地方運輸局19人、運輸支局59人。併任者は本省13人、地方運輸局16人、運輸支局53人。併せて全国のトラックGメンを統括する「トラック荷主特別対策室」(トラックGメン室)を本省内に設置し、自動車局貨物課長の小熊弘明氏が室長を兼務した。