ロシアの民間軍事会社ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏は8月末、モスクワにある空港の駐機場で自身のビジネスジェット機「エンブラエル・レガシー600」に乗り、離陸前の安全確認が終わるのを待っていた。行き先はサンクトペテルブルクで、他に9人の搭乗者がいた。翼の下にひそかに小型の爆発物が設置されたが、客室内でそれに気付いた人はいなかった。ジェット機はようやく離陸すると、およそ30分かけて高度約8500メートルまで上昇。そこで翼が吹き飛び、機体は墜落した。プリゴジン氏を含め、搭乗者10人全員が死亡した。プリゴジン氏の暗殺は2カ月かけて準備され、ウラジーミル・プーチン大統領の最も古い盟友で側近の元スパイであるニコライ・パトルシェフ氏が承認した。西側の情報機関当局者とロシアの元情報将校が明らかにした。パトルシェフ氏がプリゴジン氏暗殺計画を進めたことはこれまで報じられていなかった。