英語を話せるようになりたいけれど、効果的な学習法が見つからない。そんな多くの英語学習者から絶賛の声を集める本が『話す力が身につく5分間英単語』だ。カジュアルな会話からフォーマルな表現まで、数千に及ぶ例文をすべて音声とともに掲載。実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」まで丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
(1)(前)~の価値がある
(2)(名)価値
worth:意味だけでなく、使い方のパターンを頭に入れよう
worthは「価値がある」という意味だと知っているものの、worth a tryのような〈worth+名詞〉やworth ~ing、it is worthwhile ~ingなど使い方がややこしく、いまいち理解できている自信がないという人も多いのではないだろうか。
まず認識しておくべきは、worthは前置詞で、主にbe worth ~の形で使われて「(主語は)~の価値がある」という意味を表すということ(形容詞とする辞書もあるが前置詞と考えた方が理解しやすい)。
これを押さえた上で、worthの使い方のパターンをしっかり頭の中で整理しよう。一度で全て覚えられなくても、繰り返し例文を聞いているうちに自然と使えるようになっていく。
・S is worth+名詞:「Sには~の価値がある」
・S is worth ~ing:「Sには~する価値がある」
・It is worth ~ing:「~する価値がある」
・It is worthwhile ~ing (またはto do):「~する(時間をかける)価値がある」
worthwhileのwhileは、「時間」という意味。つまり「時間をかける価値がある」というのが元の意味だ。
実際にはIt is worth visiting the city. も It is worthwhile visiting the city. も意味に大差はないが、特に「時間をかける価値がある」ということに意識が置かれる際にworthwhileが使われると考えておこう。
本来はworth whileと2語でつづるのが正式だが、現在ではworthwhileを使う方が多い(厳密にはworthとworthwhileは別の語だが、ここでは便宜上一緒に扱う)。
また、worthには「価値」という名詞の用法があるが、これは主に〈金額+worth of ~〉(…の価値がある、…相当の~)という形で使う。
以上を踏まえて、worthとworthwhileの例文を確認してみよう。
(1)(前)~の価値がある
I think his plan is worth a try.
彼の計画は試してみる価値があると思う
The Sydney Opera House is worth a visit.
シドニーのオペラハウスは訪れる価値がある
It took me a little while to make it, but it was totally worth the effort.
それを作るには少々時間がかかったが、努力する価値はあった
◆ wellやtotallyなどを前に付けて強調することがある
A ticket to space cost $450,000, but it was well worth it.
宇宙へのチケットは45万ドルしたが、その価値は十分あった
◆ 「何の価値があるのか」が明白な場合はworth itを使うこともある
This painting is worth $2 million.
この絵画は200万ドルの価値がある
How much is the ring worth?
その指輪はどれくらいの価値があるのですか?
This movie is worth seeing.
この映画は見る価値がある
It’s worth seeing this movie.
この映画は見る価値がある
◆ この2つは言い方が違うだけで結局は同じ意味
It’s not worthwhile interviewing these candidates.
この候補者たちは、わざわざ面接する価値はない
Is it worthwhile to try to repair the piano?
そのピアノを修理する価値はあるか?
◆ worthwhile job(やる価値のある仕事)のような形で使うこともある
(2)(名)価値
The storm caused a million dollars’ worth of damage.
その嵐は100万ドル相当の被害をもたらした
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)