「孤独は嫌だけど、人付き合いはめんどくさい…。そんな怠惰な考えがありませんか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
孤独だと病気になる?
あなたは「寂しがり屋」でしょうか?
人間である限り、誰かといないと寂しさを感じるのは、自然な感情です。
「孤独な人は認知症になりやすい」というニュースをみたことがある人もいるでしょう。
それを聞くと、不安になるかもしれませんね。その対処法について述べたいと思います。
「安心感」はどう得られる?
近年の研究によれば、孤独感や寂しさなど、私たちがひとりでいるときに感じるネガティブな感情は、体に悪影響を与えることが明らかになっています。
それは、喫煙や肥満といったものと同じくらいです。
なぜ、そうなるのでしょうか。
これは、人間が社会を形成する生き物だからということが考えられます。
「人に頼られている」
「支え合っている」
という「社会と繋がっている安心感」は、生存するうえでとても重要な要素です。
そんな安心感を得るためには、人間関係が苦手な人には酷かもしれません。
「健康のために他人と関わらなければならないのか……」と、げんなりしてしまうかもしれませんね。
ただ、そんな人にも朗報はあります。
自分のペースで全然OK
社会的なつながりで得られる「安心感」というのは、人それぞれです。
毎日いろいろな人と会うことが楽しい人もいれば、積極的に会うことはなく1人の時間が好きな人もいます。
なので、各々のライフスタイルに合わせて孤独感を感じないように生活するだけでも十分に孤独感を減らすことができるのです。
それだけで健康上のマイナスな要素を軽減できることも研究では示されています。
「月に一度、仲のいい人と会うだけでいい」
ということで満足できるのであれば、それは孤独ではありません。
無理をして誰かと関わらなければならない、というように追い詰めず、自分の感覚で孤独を感じなくすれば、それだけで十分なのです。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』より一部を抜粋・編集したものです)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。