今こそ経済に関して楽観的な見方をすべき時だ。インフレ率が下がり続けるかどうかとか、リセッション(景気後退)が回避されるかといった話ではない。ここで取り上げるのは、人類が抱える最も解決困難な課題の幾つか――人工知能(AI)、アルツハイマー病や肥満症のような病気、気候変動――に関する進歩のことだ。  米国人は近頃、悲観的になっている。筆者はその考え方を変えられるとは思っていない。筆者はちょうど5年前、世界はどんどん良くなっていると書いた。その後、新型コロナウイルスの世界的大流行や戦争、インフレによって世界の多くの地域で病や貧困が深刻化し、怒りが強まった。