市場に確実なものはないが、多くの投資家は現在、米国の高格付け債はそれにかなり近いと考えている。ウォール街のコンセンサスは、金利が今回の景気サイクルのピークに達しており、2022年と23年に債券保有者が経験した痛みはおそらく去った、というものだ。アナリストや運用担当者は、仮に今年、市場全体が大きなボラティリティーに見舞われたとしても、国債や高格付け社債への投資拡大は良い賭けになると考えている。この見立てはさっそく試されることになった。5日発表の2023年12月の米雇用統計が予想をやや上回ると、インフレ長期化への懸念から債券売りに拍車がかかった。だが、同月の米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数がアナリスト予想を下回ると、債券は買いに転じて利回り上昇が抑えられた。