お金持ちの家に生まれ育ち、大学を卒業して間もなく結婚。3人の子どもを授かるも離婚した。実家に出戻ったものの、父親の会社が倒産し、49歳で住む家を失った。ついには預金通帳の残高がほぼ0円に……それまでとはうって変わって赤貧生活に陥り、裸一貫で整体院で働くようになった。自分の力で人生を切り拓いてきたとき、今度は末期寸前のがんを患うことに。そんな波乱の人生を乗り越えて「今がいちばん幸せ!」と断言する『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)の著者が、毎朝起きるの楽しくなるライフスタイルを【人間関係】【食事】【睡眠】【健康】【メンタル】【ファッション】【インテリア】【パソコン】とテーマごとに紹介する。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
精神的な苦痛で眠れない
身体的な病気でも眠れない
30代での離婚、40代での実家の倒産と、精神的な苦痛から不眠症を経験した私ですが、61歳でがんになったとき、今度は「身体的な病気で眠れない」という経験をすることになりました。
私は2013年1月22日に61歳の誕生日を迎えています。ちょうどその日に友達がサプライズパーティーを開いてくれたんです。
「ちょっと会わせたい人がいるから、ドレスアップしてきてね」と意味深なことを言われ、オシャレして約束のお店に入ったとたん、クラッカーが鳴らされて親しい友達が勢ぞろいという、とても素敵なサプライズパーティーでした。
体の異変に気づいたきっかけ
とても楽しくうれしくて大騒ぎをしたのですが、実はそのとき、体がすごくつらかったのです。
うれしい、ありがたい、なんて幸せなんだろうと思いながらも、実は体がつらくて一刻も早く家に帰ってベッドで横になりたい気持ちでいっぱいでした。
私はそれを「年齢のせいだろう」と思いつつも、「体の中で何か変なことが起こっている」という直感めいたものを捨てきれずにいました。
体を動かして
悩みもないのに睡眠障害
というのも、その3か月くらい前から、寝つきの悪さや眠りの浅さなど、睡眠障害の傾向が出てきていたからです。
そのころは仕事も絶好調。なんの悩みもなく、仕事で十分に体を動かしているので、運動不足でもありません。
不眠症になる要素はないはずなのに、なぜかうまく眠れない……。
結局、病院で2回の検査を経て子宮頸がんのステージⅢCという、ほぼ末期に近い状態になっていることがわかりました。
体を休ませたいのに
眠れないという苦痛
不正出血や腹痛など、明確な子宮頸がんの症状は何も出ていなかったのに、体は「睡眠障害」という形で私に危険信号を発してくれていたのです。
がん治療のための入院中は、寝ているのか起きているのかわからないくらい、夢か現(うつつ)かの状態をさまよっていました。
睡眠の役割は体を休ませることです。だから病気を治すには、十分な休養=睡眠が必要なわけですよね。
なのにいちばん体を休ませなければいけないときに、体調が悪すぎて満足に眠ることもできないとは、なんということでしょう。
末期寸前のがんで
眠れないほど弱りきった私
眠れないほど弱り切った私が強く感じたのは、「ぐっすり眠るのにも体力が必要」ということです。
若いときはいくらでも眠れますよね。あれは体力があり余っているからなのではないかと思います。
病院のベッドで満足に眠ることもできなくなった自分を情けないと思いつつ、「退院したら気持ちよく眠れる体をとり戻そう」と心に決めました。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。