最近話題になった中国のエコノミストやジャーナリストの論評がインターネットから姿を消した。中国政府が苦境にある経済を実際より良く見せるため、検閲を強化しているとの懸念が広がっている。習近平・中国国家主席の側近らは1月、「中国経済について明るい見通しを広める」よう当局に促した。昨年12月には同国の最高情報機関である国家安全部が異例の警告を出し、経済について否定的意見を述べる人物を警戒するよう呼び掛けた。「経済安全保障は国家安全保障の要の一つだ」とした。最近消えた論評の一つは、市場改革を支持することで知られる北京の経済メディア「財新」が昨年12月に掲載した社説だ。中国経済が崩壊の危機にひんしていた1960年代から1970年代にかけての文化大革命に言及し、政府が経済的課題に直接対処するよう求める内容だった。文革当時、当局者が「状況は素晴らしい」と主張する裏で、人々の生活は困窮していたと解説していた。