現代人は「慢性的で容赦ないストレス」に押しつぶされ、頭も肉体も、そしてメンタルも疲れ切っている。私たち人間が本来持つ「エネルギー」を取り戻すには、どうすればよいのだろうか? 本連載では、スタンフォード大学で人気講義を担当し、億万長者の投資家、シリコンバレーの起業家、アカデミー賞俳優の専属医でもあるモリー・マルーフの著書『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から人生最高の時期を引き延ばし、生活の質を最大限に高め、幸福度を増し、慢性疾患の発症リスクを下げる「最新の健康法」を紹介する。

「ただ生きているだけなのに、なぜか調子が悪くなる」人がずっと気づけていないことPhoto: Adobe Stock

「なんとなく不調」の原因に気づく方法

 私たちはたいてい「自動操縦」で生きている。

 ルールに従い、期待されることをやり、みんなが食べるものを食べ、みんなが動くように動き、みんなが働くように働いて毎日を生きている。

 とてもおいしいものを食べ、きわめて便利な交通手段を使っている。しかし、非常に多くのストレスを受け入れるよう仕向ける社会の強い圧力によって行動が影響されていることに、多くの場合気づいてもいない。

 科学的健康法であるバイオハックは、自動操縦の解除を意味する。自分の行動とそれが心身に及ぼす影響をしっかりと意識したうえで、自らのバイオロジー(脳と身体の状態)の修復と最適化を図ることだ。

 単純か複雑か、ローテクかハイテクかは問わない。学んだことを生かして変化を起こすことなのだ。

 それは、問題に気づき、対処し、必要に応じて修復を施すことである。そして、問題が大きくなる前に複雑な身体の中で起きた違和感に気づき、既に抱えている不調を自分にできる方法で解決することだ。

 習慣を変えるのは大変だが、自動操縦をオフにして、それをやり遂げるのがバイオハックだ。

 バイオハックは、習慣を変えるための手法(観察、測定、継続的な記録による自己認識)とツール(臨床検査、訓練、介入、進捗のモニタリング手段)を提供する。

 あなたの身体はあなたの家であり、その目的はもっぱらあなたに奉仕し、あなたを守ることにある。

 私たちは皆、問題を警告する体内センサーを備えて生まれてくる。だが、センサーが異常を検知したときに鳴らす警報の聞き方を忘れている。バイオハックは、警報の音量を上げて、そのメッセージの読み解き方を提供する。

 バイオハックは単なる応急処置ではない。毎日の小さな積み重ねだ。

 持続的な健康は、ゆっくりと時間をかけた習慣づくりと一貫した実践にかかっている。

(本記事は『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から一部を抜粋・改変したものです。)