外を眺める女性写真はイメージです Photo:PIXTA

殺伐とした現代において、生きるのがしんどいと感じる人は増えている。そんな死の恐怖や生きる意味に悩む10代に対し、元乃木坂46で心理カウンセラーの中元日芽香が答えた。本稿は中元日芽香『なんでも聴くよ。 中元日芽香のお悩みカウンセリングルーム』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

死への不安をやわらげるには
感じている恐怖を他人に話す

「単刀直入に言うと、死が怖いです。小学3年生頃にある文章を読んだ時からそんなことを思い始めていたのですが、最近は自分がよく知る著名人の方々の訃報を目にすることが増えたほか、応援しているバンドのメンバーが急逝してしまったこともあり、死や病気に対する恐怖が大きくなってきていて、正直苦しいです。

 若い方でも亡くなることはありますから、いつ亡くなってもおかしくないし、1日1秒を大切に生きようと自分なりに考えるようにはしていますが、なかなかモヤモヤ感や不安感のようなものが拭い切れずにいます。少しでも良いので、何か対処の仕方などあれば教えていただけると嬉しいです」(ふじみつ・19歳・男性)

 普段こういう話は避けられがちで、話そうとしても制止されてしまいそうです。だからこそ、ふじみつさんは誰かに死の恐怖への共感を求めることを遠慮してしまい、ひとりでモヤモヤするのですよね。

「そんな悲しいこと言わないで」とか「暗い気持ちになるからその話やめて」と言わなそうな人に、今の不安な気持ちをたくさん話すことができた時、ふじみつさんの気持ちが楽になりそうです。

 死というものは、実態がわからないために恐ろしいと感じる人が多くいるのだと思います。臨死体験をした人を除いて、基本的に一度しか経験しないことなので、「経験者は語る」みたいな体験の共有がどこにもないですもんね。

 平和な日常が脅かされる気がして、死から遠い状態の人(若い人、健康な人など)は積極的にこの話題を話そうとしないし、考えたくないものです。

 ふじみつさんは、当たり前にいると思っていた著名人が突然いなくなってしまった時にどのように感じたでしょうか。儚さ、あっけなさ、喪失感、あるいは空虚。元気な姿を知っていて、その時の歌声や音楽が形として残っているからこそ、寂しさは簡単に拭えないかもしれません。