「メンタルが強すぎる人がやっている習慣を教えましょう」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、メンタルを強くする方法を解説する。(構成/種岡 健)
これからもメンタルが
「ずっと安定」するために
人のメンタルは、どんなにタフそうな人でも崩れることがあります。
どんな人でも、いいことがあれば嬉しいし、悪いことがあれば悲しい。
それは、未来永劫、変わることはありません。
そして、悲しいことが続いてしまうと、他人のアドバイスなんて忘れ去ってしまい、すぐに思い出すことはできなくなるかもしれません。
一瞬だけモチベーションが上がっても、日常生活を送るうちに「元に戻る」ということもあると思います。
では、どうすれば、メンタルを安定させることができるのでしょうか。
その課題と徹底的に向き合ってみたいと思います。
ストレス対処は「テコの原理」
メンタルをこれからもずっと安定させるために、私が考えたことは、
「イメージを強く持ってもらい、いつでも思い出せるようにする」
ということです。
そこで、イラストを用いて、「メンタルとストレス」の関係性を説明していきましょう。
メンタルが安定している状態というのは、
「自分を自分でコントロールできている状態」
と言い換えられます。
精神的な意味だけでなく、身体的にも社会的にも、自由に自分をコントロールできる状態のことです。
「嫌なことがあっても、自分で気持ちをコントロールして、いい方向に自分を導ける」
「大変な仕事でも、自分の能力をコントロールして、いい結果が出せる」
そんな自分でいられると、メンタルは安定していると考えられます。
しかし、ストレスに対処できないときは、どうすることもできない状態です。
下のイラストのように、コントロールできないのです。
心が不安定なとき、人はストレスに耐えられなくなっています。
そんなストレスに対処するためには、無理をして力を入れることが必要なのではありません。
ここで必要なのは、テコになる「支点」の存在です。
「自動思考」というものが、この支点の役割を果たします。
下のイラストのように、テコの原理を使って、ストレスをスムーズに上げ下げしてコントロールできている状態をイメージしてください。
ストレスが大きすぎるとそもそも持ち上がらないですし、本人の力が弱まっていると小さなストレスでも持ち上がりません。
そんなストレスと力の関係が安定して、バランスが取れている状態のことを、ここでは「メンタルが安定している」とします。
この図をもとに、メンタルを落ち着ける方法を説明していきましょう。