「週末の寝だめはNG」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

「週末の寝だめはNG?」医者が教える正しい睡眠とはPhoto: Adobe Stock

「寝だめ」はNG?

 平日は忙しくて十分な睡眠時間を確保するのが難しいという人も多いと思います。

 週末にたくさん寝れば睡眠不足は解消できるのでしょうか?

 残念ながら「寝だめ」で睡眠不足のすべてを解消することはできません

 ある程度のストレスは軽減させられるかと思いますが、おすすめしません。

どうすれば良質な睡眠が取れる?

 現代社会の忙しさから、多くの人が十分な睡眠をとるのが難しくなっています。

 そのため、不足した睡眠を補完するために週末に「寝だめ」をするという考え方が一般的に見られます。

 しかし、週末にたくさん寝ても平日の睡眠不足による脳や精神に与えるダメージを取り去ることはできません
 むしろ、体内時計が狂ってしまい、生活のリズムが乱れるリスクも考えられます。

 体内時計が一度狂ってしまうと、睡眠の質や睡眠リズムが乱れてしまって結果的により質の良い睡眠をとるのが難しくなることもあります。

 ただ一方で、週末に長時間寝ることで一時的な疲れや眠気は和らぐかもしれませんので、ストレス軽減のため一時的な対処法には使えるかもしれませんが、それが定着してしまうとデメリットのほうが多く感じてしまうでしょう。

 一番理想的なのは、毎日一定の時間に寝て起きることで、体のリズムを整えることです。

 もちろん、現実的には難しい場面も多いと思います。

 しかし、それでも平日の睡眠時間を確保して、睡眠の質を高める工夫(寝る前のスマホをやめる、カフェインを控える)をするといいでしょう。

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)

精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。