「あの上司は無能だ」とレッテルを貼られてしまう行動・ワースト1とは?
そう語るのは、これまで4000社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『リーダーの仮面』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに「判断軸」を授けている。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/種岡 健)

「あの上司は無能だ」とレッテルを貼られてしまう行動・ワースト1Photo: Adobe Stock

ダメな行動とは?

 ある会社の部長の話です。
 その部長は、部下に気を使って「お伺い」を立てていました。
「この仕事、やりたいかな? どう?」という言い方です。

 そして、いざ部下が仕事を引き受けると、「好きなようにやっていいから~」と、丸投げしてしまっていたのです。
 すると、部下たちは、責任の所在がどこにあるのかわからなくなり、部長の上司である社長に直接アプローチするということが多発したそうです。

 現場を取り仕切る部長のリーダーとしての役割がまったく機能しなくなったのです
 そこで、「上司からは言い切り口調にする」ということを実践してもらいました。

「この仕事はあなたに任せた。契約に結びつけてください」
「来週の月曜の16時までに資料をまとめておいてください」

 と、1つ1つの指示を言い切るようにしたのです。
 もちろん、「いいから黙ってやれ」と、偉そうにする必要はありません。
 すると、その部長も、徐々に言い切り口調に慣れ、最終的にはチームの仕事のスピードが上がったそうです。

 じつは、「あの上司は無能だ」というレッテルを貼られるダメな行動があります。

 それは、「メリットを提示する」というものです。仕事を頼むときに、

「この仕事お願い。今度、飲みに連れて行くからさ~」

 というような仕事の任せ方です。

 仕事を振ることは、子どもにお使いを頼むのとは訳が違います。
 部下を子ども扱いしているようなものです

 まさか、あなたはやっていませんよね?

 仮面をかぶり、「いい人」を演じるのはやめましょう。

(本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモ、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)を経て、ジェイコム株式会社にて取締役営業副本部長を歴任。2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2024年4月現在、約4000社の導入実績がある。主な著書に『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』のシリーズ(いずれもダイヤモンド社)がある。