経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
富裕層は賃貸ではなく持ち家
「賃貸か持ち家か」という議論はいまだに尽きませんが、富裕層の多くは持ち家に住んでいます。
私自身は相続税調査で、賃貸住まいの富裕層を一度も見たことがないです。
ごく稀に、相続税の申告書に持ち家が書かれていないケースがあったのですが、これは生前に親族に名義変更をしていたり、老人ホームに転居したりしたケースです。
年収と持ち家率は比例する
総務省の統計でも、世帯主の年収が高いほど、持ち家率が高くなることが示されています。年収400万~500万円の持ち家率は66.2%ですが、年収2000万円以上の世帯になると9割に迫る水準です。
では、なぜ富裕層は持ち家派が多いのでしょうか?
富裕層に持ち家派が多い
2つの理由
1つには、富裕層には先祖代々引き継いできた土地や家屋があるケースが多いことがあります。
相続した持ち家があれば、固定費としてもっとも大きな住居費を抑えることができて、資産形成に有利であることは間違いありません。
もう1つの理由は、優遇税制措置の影響があると考えられます。住宅ローン控除をはじめとする優遇税制措置があり、節税することができます。
マンションを購入しながら
引っ越しを繰り返す富裕層
ちなみに、よくいわれる持ち家のデメリットに「簡単に引っ越せない」という面があります。
しかし、ある程度の収入や資産のある人であれば、あまり気にならないようです。
相続税申告に多く携わっている税理士の話によれば、富裕層のなかには、マンションを頻繁に購入して転居を繰り返している人もいるそうです。
不動産投資を絡めた
自由度の高い生活
自分が住みたいマンションでしばらく生活し、飽きたら別のマンションを購入して引っ越す。
そして前の住まいは賃貸に出して家賃収入を得る。このように、自分の転居と不動産投資を絡めて自由度の高い生活を送れているというわけです。
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。