お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志 Photo:JIJI

週刊文春が報じた、お笑いコンビ「ダウンタウン」松本人志の性的強要疑惑を巡り、各界の識者がさまざま論じているが、科学的な知見から最新のメディア報道を読み解く。(イトモス研究所所長 小倉健一)

賛否渦巻く「松本問題」
私はこう考える

 松本人志氏の「過去の性行為を目的とした合コン」疑惑と、その後の文春を中心とする週刊誌報道を巡って、日本中で賛否が渦巻いている。文春の特集ともなった<松本問題「私はこう考える」>を、みんなでやっているようなものだ。私も宴席などへ赴くと、他に話すこともあるだろうと思いつつも、ついつい<松本問題「私はこう考える」>をやってしまうものだ。

 今回は、<松本問題「私はこう考える」>を含めたメディア報道について述べたい。<松本問題「私はこう考える」>をこう考える、ということである。

「私はこう考える」という特集記事を最初にやり始めたのが、現在、月刊Hanada編集長の花田紀凱氏だと言われている。週刊誌編集長にとって、反響の大きい特集を毎週、毎週、続けていくことで部数を伸ばすというのが常とう手段である。しかし、毎週、毎週、特集を続けていくとネタ不足になる。それを埋めるのに使うのが「私はこう考える」特集である…というようなことを、花田氏から直接聞いたことがある。

 今回の文春も、そうしたビジネス面からの制作だった可能性があるが、松本問題という賛否が大きい記事であることから、興味を引く特集となったのではないだろうか。

 まず、前提となる話を提供しておいた方が良さそうであろう。「松本問題」は、今後、どういう流れに進んでいくかということだ。これは1月24日号の週刊新潮が非常にわかりやすかった。松本裁判の行方は「文春だけが“一人勝ち”する」様相だ。