ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が2017年、シベリアの都市トムスクに新たな活動拠点を設けるため現地に到着すると、そのスター性に引きつけられた支持者たちは、おしゃれな青いコートをまとったジーンズ姿の背の高いハンサムな同氏と自撮り写真を撮った。当時ナワリヌイ氏は全国的に名を上げ始めたばかりだった。彼の到着は、壁をターコイズブルーに塗り替えた事務所に詰めかけた人々にとって、政治運動に初めて触れる機会となった。居合わせた支持者の1人で当時25歳だったクセニア・ファディエワ氏は、会合の様子を写した写真を携帯電話に保存し、彼の演説を聴いた時にインスピレーションが湧き上がったことを後々まで思い出す。「自分たちはこの都市の何かを変えられる。初めてそう思った瞬間だ」と彼女は言う。