サウジアラビアは過去1年間、派手な歳出計画を次々に打ち出してきた。高さ400メートルの立方体を主体とする480億ドル(約7兆2000億円)規模の不動産開発や、航空大手に対抗するための世界的航空会社の設立、米男子ゴルフのPGAツアーと新興ツアーの事業統合、半導体や電子機器への1000億ドル規模の投資といったものだ。すべてがかなり高くつきつつある。これらの取り組みを進めるサウジの政府系ファンド「PIF」は先月、同ファンドの現金水準がほぼ4分の3減って昨年9月時点で約150億ドルになったことを明らかにした。これはPIFがデータの公表を始めた2020年12月以降で最も低い水準だ。支出を続けるため、サウジはここ何十年も回避してきた手段に頼っている。借り入れだ。同国は重要資産である石油巨大企業サウジアラムコの株式の大規模な追加放出も計画していると、この件に詳しい関係者が明らかにした。