測定結果はスマートウォッチよりも安定
研究グループは、このイヤリングを6人の人に着用してもらい、スマートウォッチによる測定結果と比較した。その結果、安静時の耳たぶの温度の最大標準偏差は、スマートイヤリングでは0.32℃、スマートウォッチでは0.72℃であり、前者の測定結果の方が安定していることが示唆された。
また、体温が37.8℃以上の発熱患者5人(ただし、1人は37.6℃)と平熱(37℃前後)の健康な対照者20人を対象に、室温が20~22℃の類似した環境でスマートイヤリングによる体温測定を行った。その結果、耳たぶの温度は、発熱患者で平均35.62±1.8℃であったのに対し健康な人では29.7±0.74℃であり、スマートイヤリングを発熱患者のモニタリングに活用できる可能性も示唆された。このほか、スマートイヤリングは、食事、運動、ストレス、女性での排卵に関連した体温変化の検出にも優れていたという。
Xue氏は、「Apple WatchやFitbitのようなウェアラブルデバイスにも温度センサーが内蔵されているが、1日の平均体温しか分からない上に、手首や手の温度の測定値は排卵を追跡するにはノイズが多過ぎる。われわれは、イヤリング型のウェアラブルデバイスが、特に女性やファッションに関心のある人にとっても魅力的な選択肢となり得るかを見てみたかった」と説明している。
研究グループは、それぞれの潜在的な用途に適合するようにスマートイヤリングのアルゴリズムを訓練し、より広範なテストを行う予定である。Xue氏は、「将来的には、このイヤリングにより心拍数や活動量のモニタリングもできるようになるかもしれない」と話している。また、このイヤリングは、太陽エネルギーやイヤリングの振動により生じる運動エネルギーで駆動するようにできる可能性もあるという。(HealthDay News 2024年2月12日)
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