住宅ローンは借入人の死亡時
団信でチャラになることも

 さらに、住宅ローンの大きな特徴に「団体信用生命保険(団信)により死亡時にローンの負債が消滅すること」があります。通常の借入金ですと、相続が発生した場合には相続人が引き継いで返済しなければならないのですが、住宅ローンの場合は団体信用生命保険の保険金がおりて完済されます。そのため「自分が頑張って住宅ローンを返しておかないと、死後、子供に負の遺産を引き継がせてしまう」という恐れはありません。

書影『残念な相続〈令和新版〉』(日経プレミアシリーズ)『残念な相続〈令和新版〉』(日経プレミアシリーズ)
内藤 克 著

 自分がローンの返済期間中であり、そろそろ親からの相続が発生しそう(納税資金がいりそう)なら、むしろなるべく繰り上げ返済しないでいたほうが手持ち資金に余裕ができることになります。

 同様に、親が自分の住宅ローンを繰り上げ返済しようとしていたら「納税資金のためにも繰り上げ返済せずに、手持ち資金として確保しておいてね」とアドバイスすべきでしょう。