金利上昇で家計の負担が増えそうだ――そんな不安を抱き、早めに低金利の住宅ローンに借り換えたいという住宅所有者の専門家への相談が増えている。だが、借り換え審査が厳しくなってしまう可能性がある「絶対はまってはいけない四つの落とし穴」があるという。特集『「お金」大全』(全17回)の#8では、落とし穴を見落として借り換えで失敗しないよう、気を付けるべきポイントを解説する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
ネットバンクは低金利だが最も難しい
フラット35は借りられない人の受け皿
「金利引き上げのニュースが報じられるたび、住宅ローンを借りている人から不安の声がたくさん来ている」。そう話すのは、元住宅営業マンで現在はチャンネル登録者4.5万人のYouTuberとして住宅関連の情報を発信している、住宅四天王エース氏だ。
これまで変動金利しか考えなかったような消費者が、固定金利も視野に入れるようになっており、金利上昇の影響が少ないうちに住宅ローンを借り換えたいという人も増えている。
実際には、最も高い信用力が必要で審査が厳しいのは、ネットバンク(auじぶん銀行、SBI新生銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、ソニー銀行)の変動金利で、その分だけ金利も低い。以下、メガバンク(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行)、地方銀行、信用金庫と続き、それらで借りられない人の受け皿として固定金利のフラット35がある。そんなピラミッド構造になっている。
借り換えの際、より低金利の変動金利にして目先の返済総額を抑える、もしくは変動より高い金利でも心の安定のために固定金利にするという二つの選択肢がある。
ここで問題となるのは、いずれを選ぶにせよ、本当に借り換えられる条件が自分にそろっているかという点だ。自ら審査を不利にしてしまう落とし穴にはまり、借り換えできないというケースもままあるからだ。
次ページでは、複数の専門家に寄せられた相談の中で判明した、住宅ローンの借り換え直前に絶対はまってはいけない「四つの落とし穴」について解説する。