中国が抱える少子高齢化や重債務といった構造的問題は確かに厳しいものだ。一方で、中国を悩ませていることの多くは循環的なひどい景気低迷で、それを悪化させたのが政府のまずい施策であることも明らかだ。李強(リー・チャン)首相が5日に行った全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での政府活動報告からは、政府がそのことを認識しているのか、あるいは軌道修正する気があるのかは、ほとんど読み取れなかった。
全人代の年次総会が北京で開幕し、首相が前年の成果と今後の課題を報告した。主要目標そのものにサプライズはなかった。昨年同様に、成長率5%「前後」、インフレ率3%、都市部での新規雇用1200万人という目標を掲げた。
サプライズであり、気がかりでもあるのは、目標達成に向けた政府の計画と景気の現状を踏まえると、こうした目標がどれほど現実離れしているかだ。