礼儀が職場の空気を明るくする
ここまでお伝えしことからもわかる通り、大事なことは相手を尊敬する気持ちです。どんなに正しいことを言っても態度が悪ければ、誰も聞いてくれません。逆に、どんな相手でも礼儀を持って接すれば、意見が違うことでも耳を傾けてくれるでしょう。
お互いが尊敬し合えるようになれば、職場の空気は自然と明るくなりますし、仕事も進めやすくなります。面白いことを言ったり無理に笑顔にならなくとも健全なコミュニケーションは成立するのです。
この礼儀の大切さを、あらためて私に教えてくれた芸人がいます。お笑いコンビ・野生爆弾のくっきー! です。彼は破天荒なネタで有名ですが、誰よりも礼儀正しい人物です。
NSC(お笑い養成所)の授業での話です。彼はネタ見せのときに腰にチェーンをジャラジャラとつけていました。大きな身体で威圧感があったので、注意していいものか悩みましたが、しっかりと注意しようと私は「ジャラジャラうるさくて集中できないから、ネタに関係ないなら外しなさい」と彼に言いました。
もしかしたら大声で反論されるかもとドキドキしていたら、彼は一言「はい」と答えて素直にチェーンを外しました。彼は誰よりも人の意見を聞ける心を持っていました。それ以降も彼は会うたびにいつも丁寧に挨拶をしてくれて、同じお笑い仲間としてリスペクトを持って接してくれます。おそらくそれは誰に対しても同じなのでしょう。
もし彼が破天荒なだけの芸人だったら、こんなに世間に受け入れられることはなかったように思います。そうではなく、彼は「ネタはやりたいことを」「それ以外は礼儀を持って」というのを徹底しているからこそ人気芸人になったのでしょう。
少し話は逸れましたが、礼儀というのは、職場に慣れてくると忘れがちなもののひとつです。ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。