数多あるインターネット・ビジネスの中でも今、とりわけ大きな成長を遂げているのは「ローカル検索」と呼ばれる分野である。
ローカル検索は、地域ごとのレストランやショップを探せるようにしたサイトで、たいていは一般ユーザーによる投稿や投票機能がついたものだ。ここ数年、通常の検索を上回る成長を示しており、インターネット広告だけでなく、携帯広告など、様々な方面から注目を集める存在になっている。調査会社のケスレー・グループは、2013年には携帯検索の35%はローカル検索が占めると予測するほどだ。
そのローカル検索で目下、アメリカ最強と言われているが「yelp(イェルプ)」だ。昨年、グーグルが5億ドルの買収話を持ちかけたという報道もあって、その注目度はさらに増した。グーグルによる買収話は結局破談になったようだが、イェルプは今もカルト的な人気を保ちつつ、ローカル検索ビジネスを牽引している。
創設は2004年。まずは拠点のサンフランシスコのローカル検索から始まったが、現在はカナダやイギリスも含めた代表的都市のサイトを多数運営し、2009年12月時点で2600万人のユニーク・ビジターを獲得している。
イェルパーと呼ばれる投稿するユーザーが寄せたレビューは、これまで900万件以上。レストランを探している時や近くの医者の評判を知りたい時に、人々がまずチェックするサイトになっているのだ。
イェルプのサイトをちょっと覗いてみよう。
たとえばサンフランシスコのイェルプ・サイトには1月25日時点で、4294件のレストラン、4572件のショップ、2871件の健康・医療関連機関、856件のホテルを始めとして、不動産業、大工、自動車整備、金融機関などがずらりとリスティングされている。店のオーナーらが自分で店情報を投稿することもあるが、リスティングされたほとんどのレストランやビジネスがユーザーによってレビューされているのが、イェルプの特徴だ。つまり、ユーザーがかなりアグレッシブにこのサイトに参加しているというわけだ。