「“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「相手に端的に意見を伝える方法」を紹介します。
ちょうどいい長さの「これだけメッセージ」
私がテレビ局に勤務していたころ、多忙なプロデューサーや上司に打ち合わせの時間を取ってもらうのはいつも一苦労でした。時には、エレベーターで一緒になったタイミングで、「あの、ちょっとお時間を頂きたいのですが」と話しかけ、アポイントを取ることも。
打ち合わせ中も、長々と話していると「で、何が言いたいの?」と彼らを苛立(いらだ)たせてしまいます。気心の知れた友人などでしたら、それでも話を聞いてくれるとは思いますが、そんな人ばかりではありません。相手がいつも自分の話を聞いてくれるとは限らないのです。
だから、相手と話すときは、要点を手短にまとめて、「ちょうどいい」長さで伝えられるように。相手の時間を必要以上に奪いすぎないのも、「ちょうどいい」話し方のテクニックの一つです。
そのために必要なのが「これだけメッセージ」です。
10秒以内でレポートするアナウンサー
「これだけメッセージ」とは、文字通り、「これだけは確実に伝えよう」というメッセージの核心部分のことです。
たとえば、アナウンサーがCMに入る直前に語る一言、生中継の冒頭、現場の状況を10秒以内でレポートする言葉も「これだけメッセージ」と言えます。
「昨夜の大雪で交通機関に影響が出ています」
「この新薬により〇〇の治療法に新たな道が拓けました」
このように、「10秒以内にまとめられるか?」を考えてみると、日頃からの練習になるかもしれません。
(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)